各作業工程に分けてご紹介いたします。
「檜皮採取」
樹齢およそ100年以上の檜の木から、木を伐採せずに立木のまま皮をはぎ取ります。
この作業を「檜皮採取」といい、職人は“原皮師(もとかわし)”と呼ばれます。
山林や神社・お寺の境内の檜が生えている場所まで行き、木のヘラを使い、檜を傷つけないように樹皮をむき、高いところでは、振り縄というロープを使って木を登りながら皮をむいていきます。
このようにしてむいた皮は、枠を使ってきれいに積み上げ、一定の長さに切り揃えて結束します。 この採取した皮を“檜皮(ひわだ)”と言い、全国各地の檜皮葺き屋根の材料として使用します。
「材料整形」
採取してきた檜皮を会社の作業場で材料整形をします。
屋根の形によって様々な形の製品が必要となるのですが、すべて手作業で整形していきます。“皮切り”ともいいます。
材料整形は、“当(あて)”という木の作業台と専用の包丁である“檜皮包丁”を使用します。 皮の厚みを一定に揃え、用途別に選別をする“洗皮(あらいかわ)”と、選別した皮を製品の形に切り揃えていく“綴皮(つづりかわ)”の2工程に分かれます。
採取してきた檜皮はどれも同じ形のものはないので、一枚一枚の皮を少し重ねて、重ね合わせた部分を包丁の先でコツコツとこつくことで皮を引っ付き合わせ、様々な製品の形を作ることができます。
「屋根葺き」
整形した檜皮で屋根を葺きあげていく作業を“檜皮葺き”と言います。
日本に古来から伝わり、世界に類をみない日本独自の伝統的な技法のひとつです。 職人は“屋根葺師”と呼ばれ、年数がたち、傷みが激しく葺き替えが必要とった屋根は、すべて葺師の手によって新たに葺き替えます。
“檜皮葺き”は、軒部分を軒付皮を使用して一定の厚みまで積み上げ、手斧(チョンナ)できれいに切り揃える工程や、檜皮を1枚1枚一定の間隔で葺き重ね、竹釘で打ちとめていく工程など様々あり、その仕上がりはとても繊細で優美です。
全国各地の社寺仏閣や文化財の屋根修理に携わっており、お茶室などの数寄屋造りの屋根にも携わることができます。 また、檜皮葺きのほかにも、杉や椹などの木の板で葺きあげる“杮葺き(こけらふき)”や、銅板を加工して葺きあげる“銅板葺き”なども施工しています。
┃仕事の特徴
国宝・重要文化財等の屋根工事に携わることができます。千年以上の歴史と伝統を持つ、この重要な仕事に従事していただく方を待ち望んでおります。
┃職務内容
・国宝・重要文化財等社寺仏閣の屋根修理工事 (植物性屋根)
・民間数寄屋造り等の屋根工事
・前各号に付帯関連する一切の業務
┃福利厚生・待遇
各種保険(雇用・労災・健康・厚生)あり。
宿舎あり。出張手当あり。有給休暇あり(最大20日)
┃賃金等
基本給:170,000円(月平均労働日数22日)
通勤手当:上限50,000円
賞与:年2回 計3.5ヶ月分
昇給:年1回
┃その他
・遠方での工事がある際は、長期出張があります。最大で2週間。なお、出張手当あり。
・高卒既卒者の応募可。