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市指定文化財

秋葉神社

杮葺

神門杮葺工事

  • 静岡県
  • 令和4年

施工について

旧参道にたたずむ立派な神門ですが、倒木による被害、地盤沈下や建物の歪みもあり今回の補修工事となりました。地元工務店の大工さんたちによって綿密な調査を行われ建物をすべて解体し、文化財として残せる部材は残し取り替え部分は新材を駆使し、復元が行われました。屋根についてもアルミ製金属屋根からこけら葺きに変更となりました。天竜杉で有名な土地でもあり、神社様所有の山から杉の大径木を切り出し、長野県の栗山木工様で材料の作成をしていただきました。少し厚めに拵えた板で屋根を葺き上げ当初の姿を復元することができました。

秋葉神社について

静岡県浜松市天竜区春野町、秋葉山本宮秋葉神社上社への参道沿いに建つ「神門」は、天保2年(1831年)に信州上諏訪の立川流の宮大工らによって建立された入母屋造の楼門形式です。銅板葺きの屋根下には、天保年間建立当時の名工・諏訪三郎作とされる精巧な彫刻が施され、華やかな装飾が目を引きます。文化9年(1812年)の刻銘も記されており、神門は昭和18年の大火を免れた唯一の江戸期構造物として価値を有します。その後、令和2~4年度にかけて保存修理工事が行われ、屋根は元のこけら葺に復旧され、往時の威容を取り戻しました。標高866 mの秋葉山参道に立つ歴史的建造物として、地域の信仰と文化を今に伝えています。