Menu

県指定文化財

観福寺

茅葺

仁王門保存修理工事

  • 兵庫県
  • 令和7年

施工について

仁王門の茅葺き屋根は傷みが増し、柱も以前より虫食いなどボロボロでした。柱の交換は必須でありましたが、建物解体工事となると莫大な工事費となってしまうため、今回の茅葺き屋根葺き替えのタイミングでの柱交換となりました。茅材をめくって軽くなった建物を昔ながらの揚屋工法で徐々に建物を浮かし、大工さんの手仕事で器用に柱を入れ替えも元の場所におろしました。その後茅葺き屋根も葺き替え昔の輝きを取り戻しました。一番頂上の棟木も総代様の協力もあり、自治会の山からヒノキを切り出し、加工を行いました。また古い茅材についてもただ廃棄するのではなく、農作物の肥料として再利用するなど、県、市の協力のもと活用することができました。

観福寺について

兵庫県三田市川原にある光明山観福寺の「仁王門」は、天文17年(1548年)再建の入母屋造・三間一戸八脚門形式で、県指定文化財に登録されています。茅葺屋根の重厚な門構えは地域随一の壮観で、歴史的な価値を物語る存在です。門内には市指定文化財である室町時代の木造仁王像(阿形・吽形)が安置され、天文17年の棟札には「仁王運慶作」との記録が残ると伝わり、伝承としても注目されます 多田満仲の庇護のもと、神仏習合の別当寺として発展し、明治の神仏分離後は独立した寺院となりました。現在も茅葺の屋根が保たれ、昭和60年に解体修理が実施され、構造や彫刻が丁寧に補修されています。歴史と美意識が融合したこの仁王門は、但馬地方の中世建築の貴重な遺構として、地域の文化と信仰を今に伝えています。