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出雲文化伝承館

茅葺

独楽庵茅葺屋根修繕工事

  • 島根県
  • 令和6年

施工について

平成初期に新設されたお茶室の茅葺き屋根も限界にきており出雲市に確認に行きました。庭園にたたずむお茶室で茅葺きのお茶室とこけら葺きの建物が合体しています。庭園に足場を建てる時に気を付けるのが、庭の苔や樹木をなるべく傷めないようにすることです。造園屋さんとも話をして最小限の範囲で苔を取り除きました。また茅葺き職人さんは山梨県から来ていただき本州を横断するほどの距離にもかかわらず丁寧に作業をしていただきました。1月には足場が揺れるほどのブリザードもありましたが、無事に3月のお茶会までに施工を終えることができました。

出雲文化伝承館について

「独楽庵」は、千利休が宇治田原に建立した茶室を起源とする名席で、松江藩第七代藩主・松平治郷(不昧公)によって大切に伝承されたものです。出雲文化伝承館が平成3年の開館にあたり、古絵図や文献資料をもとに京都伝統建築技術協会・中村昌生の監修で完全復元されました。三重露地構成と呼ばれる「三関三露」の露地庭を伴い、利休席「独楽庵」、船越席、泰叟席を組み合わせた茶室が配され、大名好みの格式と意匠を今に再現しています。施工は安井杢工務店が担当し、茅葺屋根や枯流れなど複雑な意匠を精緻に仕上げました。全国的にも稀有な大名茶苑の復元例として高い評価を受けています。